ESPRIT SolidMill®はフェースミル加工、荒加工、輪郭加工、仕上げ加工、ドリル加工を包括するミーリングパッケージです。ESPRITのモードレスプログラミング™により、これらの加工サイクルは縦型、横型、門型等のマシニングセンタや、複合旋盤、スイス式自動旋盤を含む旋盤等のあらゆるタイプの工作機械で利用可能です。SolidMillのサイクルは個々のパーツを加工する為に必要な工具動作をサポートするための多様な要求をサポートしながら、効率的なツールパスを生成します。ストックの自動計算によりシステムは工具破損や衝突を回避しながら効率的なツールパスを作成します。工作機械に最適化されたGコードはヘリカル補間や極座標補間、高速高精度オプション、および工作機械に内臓された固定サイクルなどの機能に対応します。
SolidMillの概要：
- あらゆるタイプの工作機械で利用可能なミーリングパッケージ
- 多様な要求に対応するツールパスを迅速に生成し、個々のパーツの加工条件をサポート
- 工作機械に最適化された編集不要のGコードを生成
モデル駆動型
3D CADモデルをベースに置き、ESPRITが機械加工可能なフィーチャーとして部品の形状を分析します。加工サイクルは認識されたフィーチャーの深さ、勾配角度、穴形状といった属性から手動入力を最小化し、プログラム作成スピードをアップし、エラーを削減します。各フィーチャーは4軸、5軸の加工方向にも対応できるように、自動的にワークプレーンに関連付けられます。CADモデルが更新された場合には、関連付けられたツールパスはジオメトリの変更の反映とともに自動的にアップデートされます。
- パートに適用されたナレッジがプログラミングを単純化
- プログラムの作成スピードをアップしエラーを削減
- 3+2、4軸、5軸の作業平面を自動で作成し、パーツオリエンテーションを決定
- ジオメトリの変更を反映してツールパスの関連付けを自動更新
プログラミングオートメーション
デジタルマシンを使い、特定のパートを加工する為に基本のテンプレートを作成出来ます。ワークを固定するジグ等のコンポーネントにより、ジョブを簡単にセットアップすることが出来ます。工具ライブラリを使用する事により簡単にジョブ設定を実行できます。よく使用される定義済みのセットアップを使用すれば、各サイクルの加工条件を素早く設定し、ジョブ間で一貫したプロセスと一定した加工結果を得る事が可能です。
- 自動化と一貫性のある加工データを保存して再利用
- 特定のパーツに共通する設定をテンプレートに保存
- 治具と工具のライブラリにより簡単にジョブ設定を実行
- 定義済みのセットアップを使用することで加工結果が安定
効率的な加工サイクル
ESPRITのSolidMill加工サイクルは、回転軸が工具軸と平行であれば、どのサイクルでも極座標補間によるロータリー加工が利用可能で、工作機械の能力を最大限に活用出来るように最適な工具移動を実現します。これらのサイクルは、ツールがストックへ進入する際の衝撃を受けないようにするために、進入、退出、およびリトラクトを含む幅広いアプローチ方法により、ツールパスを制御します。送り速度、仕上げ代、オフセット、多くの技術的なパラメータが切削工程を通して管理され、最適な結果が得られます。すべてのSolidMillサイクルは、加工サイクルの複数の回転軸による位置決めを使用できます。ESPRITは、工作機械の持つ軸とプログラミング中に使用される作業平面に基づいてこれを自動的に管理します。
- 3+1、3+2、およびロータリー加工オプション
- 幅広いアプローチによりツールパスを制御
- 各加工サイクルに組み込まれた高速加工：
- 工具のたわみを最小限に抑えるための一定の工具負荷
- 狭い溝に対するスロット加工
- 切削時間を短縮するボトムアップ荒加工
- コンスタントに広がる螺旋ツールパス
- シャープコーナースムージング
- ストックへのランプ進入、ヘリカル進入
ドリル加工
ドリル加工サイクルを使用して、止め穴、貫通穴、深穴、タップ、カウンターシンク、カウンターボーリングなど、様々な穴の形状を作成できます。ESPRITの一連の穴あけサイクルは、回転工具、パート回転、またはその両方を使用するオプションがあり、マシニングまたは旋盤の両方で選択出来ます。穴の形状とその幾何学的形状を定義する一連のプロパティを含む穴フィーチャを使って作業することで、ESPRITの穴あけ加工サイクルは、任意の数の穴に対して最小のサイクルタイムに最適化されたツールパスを素早く作成します。
- 最小のサイクルタイムに最適化されたツールパスを素早く作成
- 止め穴、貫通穴、深穴、タップ、カウンターシンク、カウンターボーリングなど、様々な穴の形状を作成
- マシニングまたは旋盤の両方に最適
- 回転工具、パート回転、またはその両方を使用可能
フェースミル加工＆荒加工
ESPRITには、荒加工用の一連の切削サイクルがあります。最も強力なのはポケット加工サイクルです。ポケット加工サイクルでは、島、ボス、サブポケットなどのポケット形状から大量の材料が素早く除去できます。この柔軟なサイクルは、加工サイクルを重ねるにつれて残る材料に対して最適化されたツールパスを作成し、貫通や深さを認識しオープン又はクローズ形状を扱う事が出来ます。1回のポケット加工工程で、このサイクルで荒削りパス、壁仕上げパス、床仕上げパス、またはこれら3つの組み合わせを作成できます。
- 荒加工用の一連の切削サイクル。最強はポケット加工サイクル
- 島、ボス、サブポケットなどのポケット形状から大量の材料を素早く除去
- 1回の工程で、荒削りパス、壁仕上げパス、床仕上げパス、またはこれら3つの組み合わせを作成
輪郭加工＆仕上げ加工
SolidMillの輪郭加工は、オープン形状やクローズ形状に対する荒加工や、仕上げのためのさまざまな機械加工ニーズに適した非常に柔軟な切削サイクルです。輪郭加工は通常、垂直またはテーパ壁に沿って材料を除去したり、CADモデルのエッジに沿って面取りをするために使用されます。1つの工程で、ステップオーバーとインクレメンタル深さに対して複数のパスで荒加工と仕上げ加工を実行できます。削り残しに対するツールパスの自動トリミングにより、サイクルタイムがさらに短縮されます。
- さまざまな機械加工ニーズに適した柔軟な切削サイクル
- オープン形状やクローズ形状の荒削りや仕上げ加工に対応
- 削り残しのツールパスを自動でトリミングしてサイクルタイムを最小化
削り残しの最適化
ESPRITは、工程内および工程間、そして段取り間の残りのストックをリアルタイムで管理し、サイクルタイムを短縮し、干渉のない加工を保証します。削り残し領域はプロセス一覧の任意のステップでいつでも確認することができ、シミュレーションはこの同じストックを使用して任意の時点から開始できます。ツールパス計算中にも素材を動的に監視し、エアカットがトリミングされ、大径の荒加工工具で残ったストックを再加工することができます。
- ストックオートメーションにより、エアカットを削減し、サイクルタイムを短縮して追加加工の作業を最小化
- 削り残し領域はプロセス一覧の任意のステップでいつでも確認可能
- 同じストックを使用して任意の時点からシミュレーションを開始
ProfitMilling
この高速加工サイクルは、サイクルタイムを大幅に短縮し、工具寿命を延ばすための荒加工用に設計されています。この米国特許取得済のテクノロジーは、切削時の負荷を自動的に管理しながら工具の接触角度と機械の加速度を理想的な範囲に維持します。ProfitMillingを使用すると、最適な結果が得られるようにツールパス全体で自動的に調整されるので、送り速度を上げつつ一度により深く切り込む事ができます。
従来の加工法と比較したProfitMillingのメリット：
- サイクルタイムを75%短縮
- 工具寿命が500%向上
SolidMillサイクル
- フェースミル加工：直線的なツールパスでフラット面の加工
- ProfitMilling：荒加工用の高速加工サイクルで、サイクルタイムを短縮し、工具寿命を延長
- ポケット加工：ポケット荒取り、壁仕上げ、床仕上げのコンビネーション加工
- 輪郭加工：荒加工および仕上げ加工で使用される輪郭、オフセット輪郭、面取り等の汎用加工サイクル
- ドリル加工：工具回転、パート回転に対応した止め穴、貫通穴、深穴、タップ穴、カウンターシンク、カウンターボーリング等の穴あけサイクル
- スパイラル加工：円筒形状の内側、外側に対しての螺旋ツールパスを作成
- ネジ切り加工：雄ネジ、雌ネジに対応したネジ切りサイクル
- ワイヤーフレーム加工：2次元輪郭と2次元断面による3次元形状の加工サイクル
- マニュアル：手動選択した要素や位置にミーリングツールパスを作成
- 文字彫り：テキストのフォント、サイズ、および方向の複数のオプションをコントロールして文字彫り用ツールパスを作成。中心輪郭、V字彫刻、同心ポケット加工のオプションが選択可能